第71回ラジオNIKKEI賞が7月3日に福島競馬場で開催された。
一昨年、昨年と2年連続で馬連万馬券決着となるなど3歳馬のハンデ重賞らしく、一筋縄ではいかないレースだが、今年はどのような結果になったのだろうか。
フェーングロッテンがイン強襲で差し切る!ショウナンマグマは逃げ粘って2着
私のラジオNIKKEI賞の本命は、単勝8番人気の◎ショウナンマグマだった。
理由は、予想記事に書いたが、要するに「自分の競馬が出来れば強い」から。
ショウナンマグマの鞍上・菅原明良騎手は、ショウナンマグマの競馬をしてみせた。
ショウナンマグマは、揉まれるのを嫌うため馬込みに入れては競馬にならないことを前走のプリンシパルSで思い知らされたであろう菅原騎手は、スタート直後にダッシュを効かせてハナに立つことに成功。
ハナに立ったショウナンマグマは少し掛かり気味に逃げ、前半5Fを58.8秒というハイペースで飛ばした。
前半5Fが58.8秒であると知った時、おそらくショウナンマグマは、直線で馬群に沈むだろうと私は思った。しかし、そんな私の予想に反して、ショウナンマグマは、菅原騎手に直線で鞭を入れられると二の脚を使って、しぶとく粘った。
一方、ショウナンマグマの後ろを内ラチ沿いを通ってぴったりマークしていたフェーングロッテンは、4コーナーでインを強襲、ショウナンマグマの内からグイグイと脚を伸ばして並びかけると、ゴール前で差し切った。
しかし、内ラチ沿いのスペースが空いていたとはいえ、ショウナンマグマが直線で内に少しよれた際に松若騎手とフェーングロッテンが内ラチに接触しそうになる場面が、正面から映したパトロールビデオでレース後に確認できてヒヤリとした。
この内ラチ1頭分問題については後でもう一度触れることにする。
ラジオNIKKEI賞を勝ったのは、フェーングロッテン。2着に逃げ粘ったショウナンマグマ、3着には、直線外から追ってきたサトノヘリオスが入った。
レース後のコメントはこちら↓
【#ラジオNIKKEI賞 レース後コメント】
フェーングロッテン松若風馬騎手、ショウナンマグマ菅原明良騎手らhttps://t.co/jsLMEqZm6Z松若騎手「(直線は)少し外も見ていましたが開かなくて一か八か内へ行きました。狭い所でしたが、しっかり馬が応えてくれて馬に感謝したいです」(抜粋)
— netkeiba (@netkeiba) July 3, 2022
勝ったフェーングロッテンの松若騎手は、直線について以下のようにコメントしている。
少し外も見ていましたが開かなくて一か八か内へ行きました。狭い所でしたが、しっかり馬が応えてくれて馬に感謝したいです。
どうやら狭い所だとわかった上で突っ込んだようだ。
2着のショウナンマグマの菅原騎手は「ハナに行けて自分の競馬はできました。良いペースで行った割には終いも良く頑張っています」とコメント。
菅原騎手が期待していた通りの騎乗をしてくれて、ショウナンマグマの競馬をすることができたのはよかったし、本命の印を打った者としても満足のいく結果だった。
3着に入ったサトノヘリオスを私は軽視していたのだが、上位2頭との差は直線の内と外の分だろう。2番人気に推されたのも納得で力のあるところを見せた。
サトノヘリオスと同様に無印だったソネットフレーズは2番手追走で4着。新馬勝ち後のデイリー杯2歳Sでセリフォスの2着に入ったのは伊達じゃなかった。
ゴーゴーユタカについては予想記事に「ルーラーシップ産駒らしく長く脚を使えるが、どちらかというとジリ脚」と書いた通り、直線で外から追い込んだもののジリジリと伸びて前を捕らえきるまではいかなかった。
1番人気に推されたボーンディスウェイの石橋脩騎手は、「馬の状態は良かったです。スタートが決まって、3番手の内に入りたかったのですが、他に来られて入れませんでした。今日の馬場で外を回らされたのがきつかったです」とコメント。
私もボーンディスウェイは先行すると予想して対抗にしたのだけど、どうやら思ったような競馬が出来なかったようだ。ボーンディスウェイは6着に敗れた。
予想と結果
1着 フェーングロッテン(3番人気)
2着◎ショウナンマグマ(8番人気)
3着 サトノヘリオス(2番人気)
4着 ソネットフレーズ(5番人気)
5着▲ゴーゴーユタカ(7番人気)
6着◯ボーンディスウェイ(1番人気)
7着△ホウオウノーサイド(11番人気)
10着△オウケンボルト(9番人気)
内ラチ1頭分という暗黙のルール!?
さて、直線でのフェーングロッテンの進路取りについて。
内ラチ1頭分を空けるのは、事故防止のための暗黙のルールであるらしく、確かにショウナンマグマの菅原騎手は4コーナーから直線に入る際にも内ラチ1頭分のスペースを空けていた。
そして、ショウナンマグマのすぐ後ろに付けていたフェーングロッテンの松若騎手は、直線でその空いた内を突いた。
しかし、ショウナンマグマがわずかに内によれた際、松若騎手とフェーングロッテンが内ラチに接触しそうになり一瞬ヒヤリとする場面があった。
菅原騎手は、内によれたショウナンマグマにすぐさま右鞭を入れて修正、松若騎手とフェーングロッテンも体勢を立て直して再び内から伸びて、ゴール前でショウナンマグマを差し切った。
松若騎手が、「狭い所」だったとレース後にコメントしていることから、狭い所だと承知の上でインを突いたのだと思われる。
内ラチ1頭分を空けるというのは暗黙のルールなので、私も未だにはっきりとわかっていないのだが、直線で内ラチ沿いに1頭分のスペースがあって、安全に通れると騎手が判断すれば、暗黙のルールに従って空けておいたスペースを突いても構わないということで良いのだろうか?この際、ルールとして明文化してくれたらいいのにと私は思うのだが。
本命のショウナンマグマが負けたからではない。純粋に疑問なのだ。