河村清明『ウオッカvsダイワスカーレット 天皇賞 運命の15分と二人の厩務員』

競馬関連本

Amazonプライムデーのプライム会員限定キャンペーンを利用して、Kindle Unlimitedに登録したので、何か面白そうな競馬本はないかと探して、見つけた。

スポンサーリンク

河村清明『ウオッカvsダイワスカーレット 天皇賞 運命の15分と二人の厩務員』

河村清明『ウオッカvsダイワスカーレット 天皇賞 運命の15分と二人の厩務員』

河村清明さんの文章は、競馬ノンフィクションやインタビュー記事などで読んでいる。著書では、かなり前のことになるけれど、『馬産地ビジネス 知られざる競馬業界の裏側』を単行本で読んだことがある。確か出版当時、話題になっていて、気になって手に取ったのだったと思う。

『ウオッカvsダイワスカーレット 天皇賞 運命の15分と二人の厩務員』には、表題作の他に「絆 河野通文と三浦皇成」が収録されている。

全39ページと読みやすい長さ。どちらも『優駿』に寄稿したものであると、あとがきにあった。

ウオッカか!?ダイワスカーレットか!?

2008年の第138回天皇賞(秋)は、リアルタイムで観ていたので、もちろんよく覚えている。あんなレースは、そう何度も観ることはできないと思う。

JRA公式チャンネルの動画よりもカンテレ競馬公式の動画の方が画質が綺麗だし、武豊騎手の勝利騎手インタビューもあるので、カンテレ競馬の動画を貼っておく。

 

 

タイトルに「二人の厩務員」とあるように、この物語の焦点は、ウオッカの中田陽之厩務員とダイワスカーレットの斉藤正敏厩務員の二人。

しかし、レースを終えて、検量室前に戻ってきた武豊騎手の様子にも触れている。

 

直後に武豊とウオッカが戻ってきた。残っているのは2着馬用の枠場だけだった。武の表情は硬く、青かった。僕にはそう見えた。鞍をはずす時、ひと言も発しなかったのは無理もない、春に乗ったヴィクトリアマイルも前哨戦の毎日王冠も、共に圧倒的な1番人気に推されながら2着に終わっていたからだ。

 

勝利騎手インタビューで、武豊騎手が「生きた心地がしなかった」と話していたし、表情が硬かったのも当然だろうと思う。

 

ウオッカとダイワスカーレットの2頭が、写真判定の結果を待つ間、それぞれの厩務員に曳かれて歩く様子は、テレビ中継でちらっと映ったが、その時、二人の厩務員が交わした会話の内容までは流石にわからなかった。

「どっち勝ってるかな?」とベテランの斉藤厩務員が中田厩務員に問いかけると、「心配せんでも、斉藤さんのが勝ってるでしょ」と返す中田厩務員。

斉藤厩務員の息子と中田厩務員は、競馬学校の同期。そんな関係もあって、二人は親しい関係だったようだ。

これも武豊騎手が勝利騎手インタビューで「ホワイトボードにね、劣勢の形で出ていましたから」と話していたが、検量室のホワイトボードには、ウオッカの馬番「14」よりもダイワスカーレットの「7」が前に書いてあった。

そのような状況からも、ダイワスカーレットの関係者の方が勝利をより信じていたのかもしれない。

しかし、写真判定の結果が出た直後、「ウオッカ!」と唐突に誰かが叫び…。

 

その場にいた著者だから書くことのできる内容で、面白く読んだ。

もうひとつの「絆 河野通文と三浦皇成」については、三浦皇成騎手がデビューした年の内容ということもあって、今となっては、、、という感想を私は持った。

著者があとがきに書いているが、「絆」は、三浦騎手へのエールも込めているらしい。

 

Kindle Unlimitedの登録方法を徹底解説!Unlimitedで読める競馬雑誌や競馬本の紹介もしているので、こちらの記事も是非。

タイトルとURLをコピーしました