私が競馬予想をする際に傍に置いておく競馬本がある。
『田端到・加藤栄の種牡馬事典』
『田端到・加藤栄の種牡馬事典』
今、私の手元にあるのは、2018年10月1日初版発行の「2018-19」。
以前は春に出版されていたが、「2017-18」から秋の出版に変わった。そのため、「2019-20」はまだ出版されていない。
秋に刊行することについて「新種牡馬について、産駒の走りを見た上で情報や分析を提供できるという、大きな利点があります」という説明がある。
『田端到・加藤栄の種牡馬事典』が自由国民社から『パーフェクト種牡馬辞典』というタイトルで出版されていた頃から、私の種牡馬事典はかれこれ20年近くこれ一筋。
版元が東邦出版に変わり、タイトルも『パーフェクト種牡馬辞典』から『田端到・加藤栄の種牡馬事典』へと変わった。自由国民社からは著者は違うものの現在も『パーフェクト種牡馬辞典』というタイトルで種牡馬辞典が出版されている。
「辞典」ではなく「事典」を使っているのは、大人の事情があるのだろうか。「辞典」と「事典」の違いを調べてみたところ、言葉としては種牡馬「事典」の方が合っているような感じではあるが。
産駒の特徴・傾向を具体的かつ端的に表現しているのが魅力
事実に基づくデータについては、どの種牡馬辞典も内容に大きな差はないのではないかと思う。では、なぜ私がこの『田端到・加藤栄の種牡馬事典』一筋なのかというと、それは、著者が産駒の特徴や傾向を具体的かつ端的な言葉で表現しているため、わかりやすく、血統のイメージを掴みやすいから。
例えば、ハーツクライ産駒の「POINT」には次の3つのポイントが書いてある。
★スタミナの塊、長距離重賞の強さは当代随一!
★スピード母系の牝馬は中山もマイルも走る
実にわかりやすい。ざっくりとではあるが、これで血統のイメージを掴むことができる。もちろん、このポイントが当てはまることもあれば、そうでないこともあるが。
なお、「勝利へのポイント」という項目には、さらに詳細なポイントが記載されている。
この「POINT」や「勝利へのポイント」には、以前はもう少し遊び心のある文章やインパクトのあるキーワードを使っていた気がするのだが、「2018-19」を読む限りではやや真面目にまとまっているような印象を受ける。
『王様・田端到の「マジか!」の血統馬券術』
『王様・田端到の「マジか!」の血統馬券術』
もう一冊。これも田端到氏の著書で『王様・田端到の「マジか!」の血統馬券術』。
雑誌『サラブレ』で私が一番楽しみにしている連載は「金満血統王国」。私が血統の面白さを知ったのは、「金満血統王国」のおかげではなかっただろうか。
田端到氏は、金満血統王国の王様であるので、「王様・田端到」なのだ。
『王様・田端到の「マジか!」の血統馬券術』は、「JRAの(ほぼ)全コースについて、それぞれ得意とする血統を中心に、有利な枠順や脚質をまとめた本」であり、JRA全競馬場の「コース事典」を目指したものであるという説明がある。
各コースのランキング上位馬についてだけでなく、王様が今後活躍しそうだと考える注目の種牡馬についても言及している点が興味深い。
私は、過去のシリーズの『王様が教えてくれた、まさかの血統馬券術』と『王様・田端到のJRAフルコース 何年血統をやっていても「当たる」からやめられない!』も購入している。
私の競馬予想のスタイル
『田端到・加藤栄の種牡馬事典』、『王様・田端到の「マジか!」の血統馬券術』といった競馬予想の参考書の内容を頭の片隅に入れておきながらも、それをそのまま予想に反映させるのではなく、騎手やレース展開など、その他の要因についても自分なりにあれこれ考えて予想をする。
例えば、好きな騎手(つまり武豊騎手)だと、つい贔屓して単穴あたりでよさそうなところを本命にしてしまったりすることもある。しかし、私の場合、好きな騎手よりもむしろ嫌いな騎手がいる方が予想に影響する(重い印を打ちたくなくなる)ので、なるべく嫌いな騎手はつくらないようにしている。それでも苦手だなと思う騎手はいるけれど。
初芝、初ダート、初ブリンカーなどの初物も好きでよく狙う。
パドックや返し馬ももちろん見るけれど、これまでパドックを見て変えた予想が良い結果だったことはほとんどなく、自分には相馬眼がないものと諦めている。
それから、私はどちらかというと穴党なので、とにかく人気どころではなく穴っぽいところから入りたいと常に考えている。
血統は重視するけれど、それだけではない。ごった煮の予想スタイルで競馬を長年楽しんできた。おそらくこれからもこんな感じでいくと思う。