7月21日に中京競馬場で行われたハンデ重賞・第67回トヨタ賞中京記念。
出走頭数が少ないこともあるが、これまで3歳馬がこのレースで3着以内に入ったことはなかった。
第67回中京記念 予想と結果
印 | 着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | 単勝人気 |
○ | 1 | 3 | 5 | グルーヴィット | 牡3 | 52.0 | 松山弘平 | 3 |
2 | 3 | 6 | クリノガウディー | 牡3 | 52.0 | 森裕太朗 | 6 | |
× | 3 | 4 | 7 | プリモシーン | 牝4 | 55.5 | 福永祐一 | 1 |
4 | 8 | 15 | ミエノサクシード | 牝6 | 54.0 | 川島信二 | 4 | |
5 | 1 | 1 | グランドボヌール | 牡5 | 54.0 | 和田竜二 | 9 |
予想
◎カテドラル
○グルーヴィット
▲ロードクエスト
△ロワアブソリュー
×プリモシーン
グルーヴィットがクリノガウディーとの3歳馬対決をハナ差凌いで重賞初勝利
3歳馬は勝てないなどと言われていたが、蓋を開けてみると3枠の3歳馬2頭○グルーヴィットとクリノガウディーがゴール前で激戦を繰り広げた。
私は3歳馬が勝てないというジンクスを破って勝利すると予想していた。そう、3頭出走した3歳馬のもう一頭◎カテドラルが勝つと…。
レースは52キロと軽ハンデの7歳馬ツーエムマイスターが逃げ、それを最内枠のグランドボヌールがぴったりとマーク。1番人気の×プリモシーンは先団を見ながらレースを進め、その後ろに3枠の3歳馬2頭グルーヴィット、クリノガウディーが続き、さらにその後ろにカテドラル。デムーロ騎手騎乗の▲ロードクエストは後方待機。
グルーヴィットの鞍上松山騎手は3〜4コーナーで早くもムチを数発入れ、グルーヴィットに気合いをつけていた。
さらにムチを入れながら4コーナーを回る。反応がよくないのだろうかと思って見ていると、グルーヴィットは直線でジリジリと脚を伸ばし前を行く馬との距離を徐々に縮めていった。
長く脚が使えるところは、母系から受け継ぐトニービンの血なのだろうか。私がグルーヴィットを対抗にした理由の一つがまさにそれだった。
グルーヴィットが前を行くプリモシーンを捕らえたと思ったら、外からクリノガウディーが襲いかかった。
際どい勝負となったが、グルーヴィットがハナ差凌いで勝利、重賞初制覇となった。
2着にクリノガウディー、3着にプリモシーン。4着に6歳牝馬ミエノサクシード。5着に先行して粘ったグランドボヌール。
私の本命馬カテドラルはというと、直線で伸びを欠いて8着に敗れた。ハーツクライ産駒のカテドラルを本命にしたのは、グルーヴィットと同じくトニービンの血を持つということと、新馬戦で中京芝2000mを勝っていたこと。しかも重馬場で勝っていたので、馬場が悪くなってもいけると思ったのだが、直線ではさっぱりだった。
▲ロードクエストもいい所なく11着に終わった。
ここでレース後の川田騎手のコメントを見てみよう。
8着 カテドラル(川田将雅騎手)
「跳びの凄く良い馬なので、逆にこの馬場だと終始、進めないままになってしまいました」
カテドラルは重馬場の新馬戦を勝っているのだが、敗因は本当に稍重の馬場だったのだろうか?
実は、予想をする前にカテドラルの調教に関する記事で気になるものがあり、それが少し引っかかっていた。
中京記念(7月21日・中京芝1600m)の最終追い切りを行ったのがカテドラル(栗東・池添学厩舎)。単走だったが、4F54.4~3F38.6~2F24.4~1F11.9秒。ここ2走の好走は4F57秒以上の遅い全体時計での好走だっただけに、そこの評価が難しいところだが、動き自体は終い重点でしっかりとしていた。
これは、調教捜査官と呼ばれる井内利彰さんの記事だ。
“ここ2走の好走は4F57秒以上の遅い全体時計での好走だっただけに、そこの評価が難しいところ”
この一文が引っかかっていたのだ。
もちろん、これが敗因であるかどうかはわからない。しかし、調教もパドックも他馬との比較ではなく、その馬の好調時と比較しなければならない。調教タイムが良いからと言って、それが必ずしも良い結果に結びつくわけではないのだ。
それぞれの馬の好走パターンを把握しておくのが理想ではある。
最後に見事な騎乗でグルーヴィットを勝利に導いた松山騎手のレース後のコメントも見ておきたい。
1着 グルーヴィット(松山弘平騎手)
「スタート良く、前半良い位置を取れたと思いましたが、3~4コーナーで、ズブさを見せました。そのあたりも頭に入れていましたので、上手く対処できましたし、直線に向いても、しっかり反応して長く良い脚を使い、強い競馬をしてくれました。メンバー的にも、強い馬が沢山いる中で、勝ち切ってくれて、強い競馬だったと思います。3歳馬、これからの馬だと思いますので、もっと強くなってくれたらと思います」
3〜4コーナーでムチを入れていたのは、やはりそういうことだったのか。とても初コンビとは思えない馬の癖を把握した見事な騎乗だった。