第58回七夕賞が7月10日に福島競馬場で行われた。
ハンデ重賞ということもあり、過去10年で1番人気馬の馬が勝ったのは、わずか2回。果たして今年の七夕賞を制したのは、人気馬か、それとも…。
6番人気エヒト、七夕賞で初重賞制覇!田中勝春騎手は3年ぶりの重賞勝利!
今年の七夕賞で1番人気に推されたのは、前走の天皇賞(春)で4着の△ヒートオンビート。
私の本命馬は、七夕賞3勝の戸崎騎手が騎乗する◎モズナガレボシだった。決して七夕賞だから、ナガレボシを本命にしたわけではない。
予想記事はこちら↓
天候は曇り、芝は良馬場でレースは行われた。
小回りの福島。やはりある程度前に付けておきたいという騎手心理があるのだろう、スタート直後、少しでも良いポジションを取ろうと各馬が横一線となって先行争い。
ハナに立ったのは、内枠の利を活かした1枠2番ロザムール。外からトーラスジェミニが2番手に付け、さらにフォルコメン、エヴァーガーデンと続き、隊列は縦長に。
七夕賞のラップタイムは以下の通り。
前半5Fが58.5秒というのはハイペースではあるが、実際にはロザムールとトーラスジェミニの前2頭が飛ばして、少し離れた3番手にポツンとフォルコメン、さらに離れてエヴァーガーデン以下が続いていたため、後続の馬たちは道中それほど飛ばしてはいない。
逃げたロザムールは、直線に入るまでハナに立っていたが、ラスト1F手前あたりでエヒトが一気に先頭に立ち、後続を突き放すと、そのまま先頭でゴールを駆け抜けた。
エヒトのコーナー通過順位を見ると、【6 – 6 – 5 – 3】となっており、一見、速い流れの先団に付けていたかのように思われるが、先ほども書いたように4番手のエヴァーガーデン以下は、道中、先頭からかなり離れた位置に付けていたため、エヒトは、全体として中団あたりのポジションに付けていた。
赤い矢印の先にいるのがエヒト。
つまり、道中じっくりと脚をためることが出来ていたのだ。
エヒトの上がりは、34.4秒。
私が、モズナガレボシを本命にしたのは、上がりが35秒以上かかると予想したため。
予想記事に「モズナガレボシがこれまで勝ったレースで使った上がりは、35秒以上。切れる脚が使える馬ではないので、勝負所である程度の位置に付けておきたい」と書いた。
しかし、道中6番手に付けていたエヒトに上がり34.4秒の脚を使われてしまっては、道中は15番手と後方から2番手に付けていたモズナガレボシには、なす術はない。
モズナガレボシ自身、上がり34.6秒と34秒台の脚を使って追い込んだが、7着に入るのが精一杯だった。
2着に1番人気のヒートオンビート、3着に2番人気の▲アンティシペイトが入って、七夕賞としては人気馬が馬券に絡んだ。
ヒートオンビートは、34.3秒と上がり最速で追い込んだが、勝ち馬に2馬身半の差をつけられた。54キロのエヒトとは3キロ差の57キロの斤量を背負っていたこともあるが、結果的には位置取りが後ろすぎた。
レース後のコメントはこちら↓
【#七夕賞】
レース後コメント
エヒト田中勝春騎手、ヒートオンビート友道康夫調教師らhttps://t.co/wXWMvk6fOL田中勝騎手「(前略) 元々良い馬なのですが、緩いところがありますし、力がついてもう一段パワーアップすれば楽しみです」
— netkeiba (@netkeiba) July 10, 2022
勝ったエヒトの田中勝春騎手は「道中は良いペースで、抜群に良い手応えでした」とコメントしている。やはり、あの位置に付けていたエヒトにとっては、良いペースだったのだろう。
予想と結果
1着 エヒト(6番人気)
2着△ヒートオンビート(1番人気)
3着▲アンティシペイト(2番人気)
4着 エヴァーガーデン(13番人気)
5着◯ヒュミドール(3番人気)
7着◎モズナガレボシ(4番人気)
9着△プリマヴィスタ(8番人気)
15着△レッドジェネシス(10番人気)
エヒトは、ルーラーシップ×ディープインパクトで、3着のアンティシペイトも同じく、ルーラーシップ×ディープインパクト。2着のヒートオンビートは、キングカメハメハ×ディープインパクト。
ルーラーシップはキングカメハメハ産駒だから、今年の七夕賞はキンカメ×ディープ向きであったと言ってもよさそう。
ちなみに、11番人気で6着に入ったヴァンケドミンゴは、ルーラーシップ×アグネスタキオン。
久々にカッチースマイル弾ける!
エヒトの鞍上、田中勝春騎手が重賞を勝つのは、2019年の函館記念以来、およそ3年ぶり。
レース後の勝利騎手インタビューでは、久しぶりにカッチースマイルが弾けていました。
インタビュアーから「3年ぶりの重賞制覇ということですが」と聞かれて、「マジっすか?」と答え、さらに「今のお気持ちいかがでしょう?」と聞かれると、「うれしいっす(笑)」と答えて笑うカッチー(笑)
久々の〝カッチースマイル〟。
「本当に沢山のお客さんが入っている前で勝てて、凄く嬉しいです。いい位置取れ、途中から〝本当によさそうだな〟と(笑い)。3角から自らハミを取ってグイグイ走り、4角を回ってもうひとつ反応してくれたので〝多分、勝てるだろうな〟と」#七夕賞 #エヒト #田中勝春 pic.twitter.com/7DTGYi7dtJ— 日刊ゲンダイ 競馬 (@gendai_keiba) July 10, 2022
本当に嬉しそうな笑顔に、こちらまで嬉しくなります。
そういえば、最近の騎手には、カッチーやミッキー(松永幹夫元騎手・現調教師)のようなニックネームがあるのでしょうか?